全文連 公益社団法人 全国国宝重要文化財所有者連盟
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文化財Q&A
■ 文化財Q&A
「文化財Q&A」は、これまで全文連の活動や国宝・重要文化財についてお寄せいただいたお問い合わせの中で、文化財(国宝・重要文化財)の基礎知識や特にご質問が多かったものについて、Q&A形式でお答えしています。
この他にお尋ねの事項がございましたら、メール(「お問い合わせ」)もしくは電話(075-525-0539)にて、お気軽にご相談ください。
○文化財(国宝・重要文化財)の基礎知識
○文化財(国宝・重要文化財)所有者の方々からのご質問
○一般(法人ならびに個人)の方々からのご質問
● 文化財(国宝・重要文化財)の基礎知識
 今や国民の意識は「もの」の豊かさから「こころ」の豊かさを求める時代となりました。
 国宝・重要文化財はまさに「こころ」の豊かさを満たす最も優れた遺産であります。
 国宝・重要文化財は、私たちの先祖が長い年月にわたり、多くの困難を克服しながら、護り伝えてきた貴重な文化遺産です。わが国の歴史と文化の正しい理解のため欠かすことのできないものであり、また、将来の日本文化の形成にとっても、重要なものであります。

★ 文化財の所有者
 国宝・重要文化財に国から指定を受けているのは、合計13,119(建造物2,465(4,892棟)、美術工芸品10,654)(平成29年3月1日現在)の多数にのぼっています。このほか地方公共団体によって指定されているものも含めますとその数は膨大なものになります。国指定の重要文化財所有者だけでも4,000を越える個人又は法人があります。
 これらの文化財所有者の皆さんは、都道府県ごと、いろいろな連絡会を構成して、活動されています。
 先祖からの貴重な文化財を保護し、活用していくためには、国や地方公共団体の援助や協力はもとより、広く国民の皆さんの理解と協力も必要であります。
 しかし、文化財の日常管理はその所有者自らが行わなければなりません。その自覚と責任をもつと同時に、所有者間で、知恵を出し合い協力し合うことが何より大きな支えとなります。
 公益社団法人としての全文連は所有者の連携のもとにその保護・活用をいっそう図るための、全国唯一の組織として機能し、今後も、国に対してだけでなく、地方公共団体の文化財保護行政にも反映させ、併せて全国民の理解を深め、一体となって充実発展していきますよう願ってやみません。

★ 所有者の抱える課題解決に向けて
 わが国の文化財は、古くからその置かれた環境の中で、修理を重ねながら保存・活用に努め、現在もその基本に変わりありません。
 建造物では一定年数ごとに屋根葺替や解体修理を行い維持を図っています。また、美術工芸品についても、これまで一定の周期で修理が行われてきたことは周知のとおりです。
 重要文化財は毎年新規に指定され増加しています。それに伴う修理の増加は、その資材の確保をいっそう困難にし、また修理技能者の不足といったことも当然考えられます。そして多額の費用負担となるだろうことは予想に難くありません。
 これらの課題は、すべての文化財所有者が一丸となって協力し合わなければ容易に解決できる問題ではありません。そのためにも、全文連にこぞって参画され、いっそう組織を強化し、活動することにより課題の早期解決に向かっていきたいと願っています。

★ 文化財の防災
 国宝・重要文化財として指定されている建造物や美術工芸品の大半は燃えやすい材料でつくられており、火災に対して非常に危険な状態にあります。これらの文化財を火災から護るため、自動火災報知設備・消火設備・避雷設備等の防災設備の整備、保存施設(収蔵庫)の完備が急務ですが、まだ相当数が未整備の状況にあります。
◇ 建造物の防災
 近年、補助事業として防災設備等の整備が進んだことにより、火災による被害を最小限に食い止める例が増えています。
◇ 美術工芸品の防災
 美術工芸品を火災や盗難、大気汚染、虫害などの災害から護り、安全に保存するために、防災施設設置とともに、保存施設の建設が進められています。
◇ 消火設備
 機器は、操作が容易で小人数で扱えるものを選びます。木造建築では、火災発生後数分間の初期消火活動が特に重要で、小口径の消火栓が効力を発揮します。また大きな火災や、周辺建物からの延焼防止に対しては、放水銃・ドレンチャー設備が有効です。
◇ 保存施設(収蔵庫)
 鉄筋コンクリート造の耐火構造・高床式の建物で、室内は木造の床や壁・天井を設けた二重構造として、温湿度変化に対処するとともに、通風換気を図っています。昭和25年以来、全国に700を超える収蔵庫が設置されました。

★ 建造物の修理
 貴重な文化財建造物を後世に護り伝えていくためには、細心の管理を怠らず適切な修理を絶えず繰り返すことが大切です。修理には建物の破損度に応じて解体・半解体等の根本修理、屋根葺替、塗装修理、部分修理があります。明治30年以来、根本修理等を継続し行ってきましたが、まだ修理を要する建造物は数多く累積しております。
◇ 根本修理
 木造建築は約100年ごとに建物の一部または全部を解体して、破損腐朽した部分を取替え、弛んだ組合せ部分を締め直すなどの根本的修理が必要です。
◇ 塗装修理
 華麗な漆・彩色塗装は、木材表面の保護も兼ねています。直射日光を受ける外廻りは約40年で色が褪せ、剥落するために定期的な塗替が必要です。
◇ 屋根修理
 屋根は風雨でもっとも傷みやすい部分ですから、定期的な手入れが必要です。瓦は約50〜100年、檜皮は40年、こけらは30年、茅は約20年ごとに葺替えます。

★ 美術工芸品の修理
 美術工芸品にはさまざまなものがありますが、その多くは元来材質が脆弱なうえ、長い年月を経て風化し、材質が傷み、損傷の甚だしいものが多いようです。明治30年以来、美術工芸品の修理を継続してきましたが、まだ緊急に修理を必要とする文化財が数多くあり、それらはさらに損傷が進み、虫やかびにおかされながら修理されるのを待っています。
◇ 彫刻の修理
 古くからの伝統的な技術と材料によって修理します。現在では、彩色のはがれをとめ、腐った木材を補強するために一部合成樹脂を使うようになりました。
◇ 工芸品の修理
 工芸品は、金工・漆工・染織・甲冑・刀剣など範囲が広く、修理方法が異なりますが、基本は現状を維持するために修理を行うことです。
◇ 絵画の修理
 絵画は絹や紙に描かれ、掛軸や屏風などに仕立てられていますが、脆弱な材質で作られていますので年とともに絵も表具も傷んできます。傷んだ絵は表具から外し、傷んだところを補強し、裏打をやり直し、元の形に仕上げます。
◇ 書跡・典籍、古文書、考古資料の修理
 書跡典籍・古文書はこれまで歴史の資料として整理されてきた状態を尊重し、また料紙の本来の形を損なうことのないよう十分注意します。
 考古資料は土中に埋れていた関係上、本来の形を損なっていることが多く、銹処理や樹脂含浸による本体強化を行い、できるだけ当初の形態に復する作業を行います。

★ 文化財保存技術
 文化財の修理は、長年の経験と高度の伝統的技術を身につけた技術者によって行われており、この人達の力なくして文化財の保存はできません。技術者たちの技術水準を保持し、後継者の養成を行うためには、文化財保存修理事業の安定した継続が不可欠です。
◇ 建造物
 文化財建造物の保存修理には、大工・瓦葺師・塗師・左官・檜皮葺師や錺金具師などの各職種にわたる大勢の熟練した技術者が必要です。
◇ 美術工芸品
 仏師・装こう師・漆工・木工・金工・刀匠・鎧師・指物師などの技術者が、技術の伝承に専念できるよう生活の安定が望まれます。
◇ 文化財保存修理技術者
 文化財の保存修理は、設計監理に当たる技術者と、直接施工に当たるそれぞれの技能者との協力で行われます。文化財の保存に専念する技能者の老齢化と後継者の不足は大きな問題です。後継者の養成と伝統技術を保存するため、大工・屋根葺師・左官・漆工などの分野で補助事業による養成研修が行われ、徐々に成果をあげています。
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● 文化財(国宝・重要文化財)所有者の方々からのご質問
Q. 文化財の修理が必要なのですが、どこに相談すればいいのでしょうか?
A.  全文連でも文化財所有者の方々からのご相談を受け付けていますが、まずは地元市町村の教育委員会をとおして各都道府県教育委員会にある文化財を担当する課(文化課・文化財課・文化財保護課など)にご相談ください。建造物に関しては、滋賀県・京都府・奈良県・大阪府・兵庫県・和歌山県教育委員会には専門の技師がいます。

Q. これまでに、全文連ではどのような活動をされてきたのですか?
A.  文化財関係の税制上の優遇や相続税の減免措置、文化財保護予算の拡充などの成果を上げてきました。また、「文化財保存・管理ハンドブック」の作成、各種研修会の実施など、文化庁とも協力しながら各種事業を展開しています(詳しくは「事業内容」をご覧ください)。

Q. 研修会は定期的に開催されているのですか? また、参加するにはどうすればいいですか?
A.  正会員、賛助会員を対象に、定期的に研修会を開催しています。参加をご希望の場合は、会員にご加入いただければ事前に会報やご案内状にてスケジュールと参加希望のご案内をお知らせいたします。また、一般参加をご希望の場合は直接、全文連までお問い合わせください。

Q. 他の文化財所有者と交流する機会はありますか?
A.  研修会など当連盟主催の行事にご参加いただければ随時、情報交換をしていただけます。また、所有者の方々の管理・保存・活用に関するさまざまな近況も会報誌でご紹介しています。個別の案件につきましては直接、全文連までお問い合わせください。
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● 一般(法人ならびに個人)の方々からのご質問
Q. 文化財の所有者ではありませんが、会員になりたいのですが?
A.  文化財所有者ではない法人ならびに個人の方々には、「賛助会員」として文化財の保護活動を支援いただいています。賛助会員には研修会、見学会への参加、年4回の会報誌のお届けなど、普及・啓発活動の最新情報をお伝えいたします。(詳しくは「全文連について」をご参照ください。現在の正会員ならびに賛助会員は「会員一覧」に掲載しています)

Q. 会報誌のバックナンバーを読みたいのですが?
A.  有料にて頒布していますので、ご希望の号数などをご確認のうえ、お申し込みください(一部、在庫がないものもございます)。会員(正会員・賛助会員)に加入いただければ年4回、定期的に最新号をお届けいたします。

Q. 文化財って、何ですか?
A.  日本国内において歴史上または芸術上で価値の高い建造物、彫刻、絵画、工芸品、書跡、典籍、古文書、考古資料、歴史資料やその他の有形の文化的所産を有形文化財と言い、重要なものは「重要文化財」に、そのなかで特に価値の高いものは「国宝」に指定されています。この他にも音楽、工芸技術などの無形文化財、古墳や城跡、庭園などの記念物、周囲の環境と一体を成し歴史的風致を形成している伝統的建造物群などがあり、総称して「文化財」と呼んでいます。

Q. 「指定文化財」と「世界遺産」の登録には、どんな関係があるのですか?
A.  世界遺産はユネスコ(国連教育科学文化機関)が採択した「世界遺産条約」に基づき、「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」の三つに大別されています。世界中のあらゆる地域には、それぞれ国や民族が誇る文化財や自然環境がありますが、そのなかで現代を生きるすべての人々が共有し、未来の世代に引き継いでいくべき人類共通の宝物のことです。
 例えば、文化遺産の「古都京都の文化財」(1994年登録)は、
 1:  世界遺産が不動産に限られているため、建造物、庭園を対象にする。
 2:  国内で最高のランクに位置づけられている国宝(建造物)、特別名勝(庭園)を有している
 3:  遺産の敷地全域が史跡に指定されているなど、遺産そのものの保護の状況に優れている
――などの条件を満たす17社寺が選ばれました。
 そのため、境内全域が史跡に指定されていても建造物が国宝ではない場合、あるいはその逆に建造物が国宝でも境内が史跡指定でない社寺は、登録対象になりませんでした。
(現在、全文連関係では「法隆寺地域の仏教建造物」「姫路城」「古都京都の文化財」「厳島神社」「古都奈良の文化財」「日光の社寺」「紀伊山地の霊場と参詣道」が文化遺産に登録されています)

Q. 「世界遺産」に登録されると、ユネスコから修理や災害に対する補助はありますか?
A.  日本では、保存修理などの補助は国内法(文化財保護法)によって実施されていますので、よほどのことがない限り、ユネスコからの緊急援助はありません。国内法は世界遺産の登録に関係なく、破損度の高いものから順に修理されています。

Q. 文化財の保護は、いつ頃から始まったのですか?
A.  明治4年「古器旧物保存方」が布告されたのが国家による文化財保護活動の始まりです。法律としては明治30年に「古社寺保存法」が公布され、社寺所有の建造物・美術工芸品の指定からスタートしました。昭和4年に「国宝保存法」に改正され、指定対象が拡大され、破損度の高いものから修理されてきました。
現在は1950(昭和25)年に制定された「文化財保護法」によって、「わが国の歴史、文化等の正しい理解のために欠くことのできないものであり、且つ、将来の文化の向上発展の基礎をなすもの」として、「文化財を保存し、かつ、その活用を図り、もって国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献すること」を目的に保護活動が進められています。

Q. 指定されている文化財の数と種類を教えてください。
A.  国宝は1,101件(建造物223件・282棟、美術工芸品878件)、重要文化財を含めると13,119件(建造物2,465件(4,892棟)、美術工芸品10,654件)が国指定有形文化財になっています(平成29年3月1日現在)。種類は細かく分類されていますが、大別すると有形文化財、無形文化財、民俗文化財、記念物、文化的景観、伝統的建造物群、埋蔵文化財、そして文化財の保存に必要な材料製作や修理、修復に必要な文化財保存技術などに分けられます。

Q. 文化財を護るために、必要なことは何ですか?
A.  文化財はたくさんの人々の手によって護られていますが、最も重要で難しいのが保存修理です。有形の文化財でも、建造物と美術工芸品で修理の内容が異なりますが、特に建造物は常に自然環境のもとで風雨にさらされているため、雨漏りなど建物全体に影響を及ぼしかねない破損は、早急な修理が必要になります。台風などの自然災害で緊急に修理を行う災害復旧工事もあります。
 修理は破損度によって解体修理、半解体修理、屋根葺替、塗装修理、部分修理、移築修理など、内容はさまざまです。立地条件などによって変わってきますが、ほぼ解体修理は100〜200年、屋根葺替は本瓦葺が100年、桟瓦葺が40〜50年、檜皮葺が30〜40年、こけら葺が20〜30年、茅葺が15〜20年ごとが目安になっています。
 美術工芸品も温湿度の変化や防火・防犯などの諸条件に対応するため、所有者は収蔵庫などの保存施設で管理する必要があります。また、国立博物館や地方公共団体の博物館・美術館・資料館などの公共施設に保管を依頼(寄託)されているものも多数あります。

Q. 文化財の修復は、誰がやっているんですか?
A.  文化財建造物の保存修理工事は、文化庁が承認する文化財建造物修理主任技術者によって監督指導されています。主任技術者がいる滋賀県、京都府と奈良県は直営で修理工事を実施していますし、その他には(公財)文化財建造物保存技術協会、(公財)和歌山県文化財センター、(公財)日光社寺文化財保存会、(一財)建築研究協会、(株)文化財保存計画協会、(一財)京都伝統建築技術協会、 (公財)明治村などが設計監理を実施しています。
 美術工芸品は(公財)美術院など、修復対象となる工芸品の技術や意匠・歴史的背景などに精通した修理技術者が行っています。今ある文化財を、当初の姿を尊重しさらに損傷が進まないように保持し、永く後世に伝える「現状維持」が修理の基本になっています。

Q. 文化財を護る技術者になりたいのですが、どんな職種がありますか?
A.  修復工事によって、いろんな職種があります。解体や組立の木工事をする大工、壁を剥がしたり塗ったりする左官工、屋根の檜皮葺・こけら葺・茅葺をする屋根葺師、檜の原木から皮を剥ぐ原皮師、瓦葺師、鬼瓦等を製作する鬼師、漆塗師、彩色師、錺金具師、畳工などの職人が、文化財の修理を支えています。美術工芸品では、仏像修理は(財)美術院の仏師、障壁画や襖の修理は(一社)国宝修理装こう師連盟の表具師などの手によって修理が行われています。

Q. 文化財に公開・非公開があるのは、なぜですか?
A.  文化財の公開は、文化財に親しむ機会を確保するために実施されていますが、公開によって損なわれる可能性がある場合は、必ずしもその限りではありません。破損や劣化などが進行しているものは公開をすべきではありませんし、材質や形状、保存状態などの諸条件を勘案して、公開と保存の調和を図って行われているため、場合によっては非公開となっているものもあります。また、一時的に期間を決めて公開しているケースも数多くあります。

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