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文化財の維持管理に関する共通課題を解決するために連携し行動します
文化財所有者の大きな課題は、所有する国宝・重要文化財をいかに損傷することなく後世に引継ぐかということです。わが国の貴重な文化遺産である文化財の維持管理に関し、個々の努力だけでは解決し難い多くの悩みや問題を相互に連携し合って解決への行動を共におこしたり、学び合ったりしています。
この連携の力こそが全文連そのものなのです。 |
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「国の予算の充実と効果的な諸施策の早期具体化」を国政へ要望します
重要文化財の保全には、その維持管理、修理、防災整備、環境保全などの経費が必要です。これらの諸経費には国の補助制度がありますが、直ちに必要なだけ補助金が受けられるわけではありません。
そこで、全文連では、会員の声を集約し、国の文化財保護予算の増額に、毎年、全力を挙げています。文化財所有者が、ばらばらに要望しても効果は期待できません。文化財をめぐる社会情勢の変化の激しい中で、すべての文化財所有者の総意「文化財保護予算の充実と効果的な諸施策の早期具現化」を国政に反映させる強靱な全文連となるならば、その活動成果が個々の所有者の経済的な負担の軽減となって享受されることは、大きなメリットといえます。 |
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文化庁との直接懇談の機会を設定します
全文連の活動のほとんどは、文化庁の指導・助言を受けて実施していますが、全文連の事業の講演、助言、専門委員、調査活動、刊行物寄稿、資料提供など、文化財部の各課長をはじめ、文化財調査官の方々から多くの指導と協力を受けています。
全文連の通常総会には、文化庁長官や部・課長以下多くの出席を得ますし、文化財所有者懇談会にも多くの文化庁関係者が出席されて、所有者と個人的な歓談や意見・情報交換ができる機会となっています。
これらの事業や機会の中で直接に専門的な指導や助言が得られるのは全文連なればこそです。 |
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文化財所有者間相互の情報交換をします
それぞれの文化財所有者は、各都道府県単位のつながりや同分野の重要文化財の連携など、情報は限られやすいと思われます。地域によっては、行政の主管課のみが頼りという場合があるかも知れません。
全文連は文化財所有者が構成する全国組織です。国宝・重要文化財の建造物及び美術工芸品のすべてが含まれる中での相互情報の交換が可能です。
全文連では、既述の各種事業や活動をはじめ、会員の意見交換や情報交換の場を多様につくる努力をしています。例えばある協議の場で「カラスが茅葺屋根を荒らして困る」と問題を出されると、各地のユニークなカラス撃退法が披露されるといったことです。また、補助申請の助言や資材確保の情報等々経験者によるヒントや参考例は大変貴重です。 |
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緊急修理等の相互扶助や困りごと相談を受けます
例えば門は重要文化財に指定されているが、それに続く塀は指定外といった場合、門を保護するために塀を修理したいが国の補助金は出ません。
困ったときはお互い様で、国庫補助事業及び維持管理補助事業以外で、会員の会費による活動の範囲で、緊急対処の補助金を会員に交付する相互扶助のしくみを設けています。
また、文化財の維持管理等に関する会員の困りごと相談も、全文連で受け、専門者の紹介など便宜を図ります。 |
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文化財保存修理の諸団体と連携します
わが国の文化財の大きな特徴は、木材や紙、布でできているということです。木材、紙等は湿気の多い日本の気候から、虫害や腐蝕の被害も多く、その保存に多くの労力を注いできています。その保存技術も高度化・専門化し、また多様化しているのも特徴です。
全文連では、文化財保存修理技術の保存団体と文化財所有者との連携を深めながら共に文化財を護る努力をしています。また、修理技術者養成等の事業に全文連独自の支援も実施しています。 |
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会員は全文連が主催する研修会等に参加できます
全文連では、文化庁と共催の「重要文化財建造物管理実務検討会」を開催したり、「文化財保護研修会」や全国ブロック別に「ブロック会議」等、文化財所有者の研修や経験交流の機会を設けています。 |
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会員には会報をお届けします
会報を年4回発行し、意見交換や情報を提供します。 |
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都道府県の文化財主管課と連携協力します
全文連事業の文化財保護研修会やブロック会議については開催地の都道府県主管課の協力を得てこれまで盛会に実施してきました。全文連の会員の多くは都道府県や市町村指定の文化財の所有者でもありますので公共団体と連携して文化財保護に努めることになります。そのため情報提供などの便宜をはかっています。
また、国への要望活動にも公共団体から積極的に参加していただき行動を共にしています。 |